「立川からはじめる未来」 3: なぜPLAY! なのか
「なぜPLAY! という名前にしたんですか?」という質問は、オープンしたあと、ほとんど聞かれなくなりました。MUSEUMの見え方やPARKのプログラムが、言葉のイメージに重って見えているからだと思います。
施設名は大事な決定事項です。ネーミングの考え方は二つあって、「わかりやすい」か「なんだかよくわからない」かのどちらか。例えば「絵本美術館」「キッズパーク」などの名称を掲げれば、新しい場所の内容を想起しやすくお客さんを呼びやすい。けれど来場者を特定してしまうので、閉じた印象もつという弊害もあります。
一方「なんだかよくわからない」ほうは、エンジンのかかりは遅いかもしれないけれど、誰でもそれぞれが自分の言葉で場所を認知・理解する広がりが期待できます。(例えばミッドタウンの21_21はそうした好例だと思います)。ぼくたちは、広がりの可能性に賭けることにしました。
「PLAY」という名前は、「遊び」を取り戻したいという理由からです。英語にしたのは「遊び」の意味を広げるため。日本語の「遊び」はどこか窮屈で、「遊んじゃダメ」といった使われ方も多いように感じます。「PLAY」には「参加する」「演じる」といった豊かな意味が含まれています。『ぐりとぐら』の作者、中川李枝子さんにネーミングをお伝えした時、「そうね、遊びの中に学びがあるのよ」と同感していただきました。
最後に「!」をつけたのは、元気さ、楽しさをプラスするため。「PLAY!」は関係者の合言葉となりました。クリエイションに際しては、「PLAY! らしいか」が大切な判断基準になっています。