「立川からはじめる未来」 12: みんなハッピーになる武蔵美との共同プログラムは、「PLAY! と経済」。
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「立川からはじめる未来」 12: みんなハッピーになる武蔵美との共同プログラムは、「PLAY! と経済」。

さまざまなクリエイターを輩出している武蔵野美術大学、通称武蔵美(ムサビ)。所在地はぼくが住む東京都の小平市ですが、PLAY! から北東に車で10-15分くらいのご近所さんです。その武蔵美と一緒に、来年1月から課外プログラムを実施することが決まり、今日から学生の募集を開始しました。プログラム名は「PLAY! と経済」。

アートディレクターの菊地敦己さん、tupera tuperaの亀山達矢さん、「かおてん.」のグラフィックを担当したminnaのおふたり、映像を手がけたCekaiの窪田慎さん、PLAY! PARKのフライヤーなどを担当する福島よし恵さん、運営スタッフなどなど、PLAY! には大勢の武蔵美出身者が参加しています(亀山さんは今年度から客員教授)。場所も社会的な役割も近いので、常々「もっと深い結びつき、有意義な関係ができないか」と思っていたのですが、夏にふと思いついて、タイアップの企画書を書きました。

タイアップ、コラボレーション。別組織が、お互いのリソースや強みをスポット的に重ねたり組み合わせることで、より大きな成果を生もうとする取り組みです。ぼくもさまざまな経験がありますが、金銭感覚や規模、性格も異なる「他人同士」なので、言うは易く行うは難しいものです。実現するかどうかの鍵は、互いに大きな価値観を共有できているか、そして取り組みが一方的でなくフェアなものかどうか。今回のケースでは、PLAY! と学生、そして武蔵美の3者が、ともにハッピーになれるかがポイントと考えました。 

かねてからぼくは、PLAY! に学生の力を借りられないか、と思っていました。生まれたてのPLAY! では、場所を知ってもらうための広報活動と、MUSEUMやPARKでのプログラムやコンテンツの開発制作がたくさん必要です。内外のプロフェッショナルが日々取り組んでいますが、学生の新鮮な発想やエネルギーは面白いはずだし、学生にも特別な経験になるはず。そしてそんな取り組みができたら、PLAY! らしい。武蔵美という教育機関と連携を深めていくことも、PLAY! の多層的な活動、将来像にも重要なことです。

では学生にとってはどうか。PLAY! が学生に期待するリサーチやクリエイティブは、学校の課題とは大きく違います。それは「持続可能な活動を支える」というリアルなミッションを帯びているからです。広告を作ったり、商品を作ったり、デザインは基本的に、クライアントのために行うものです。成果を伴わないデザインは失格で、単なる表現どまりです。PLAY! での問題解決の取り組みは、机上の空論ではないリアルな社会で、デザインやクリエイティブを試す機会です。授業や空想では体験できない、ヒリヒリする実践の最前線に身を置くことは、クリエイティブを武器に社会に関わろうとする学生にとって、大切な経験ではないかと考えました。

そして最後は武蔵美。学生のためになりそう、ということだけではなくて、大学そのものにも何か得るものがないと、長続きしません。そこで「教育事業を起こす」という遠いゴールを設定しました。武蔵美が学生を中心とするリソースを活用し、PLAY! という文化施設の経営に参加・協力する。このタイアップでのトライアンドエラーの積み重ねを通じて、材料やメソッドを見出し、一緒に新しいビジネスを生みしませんか、という息の長い提案です。

3者のニーズと役割をフェアな関係として整理した企画書ができたので、PLAY! PARKで遊具の開発を一緒に進めていた武蔵美の「社会連携チーム」の板橋孝浩さんに相談をしたところ、すぐに打ち合わせが設定されました。何度かの打ち合わせでは、チームのみなさんからいつも気持ちよい賛同をいただきました。そして、ぼくが課外プロジェクトを取りまとめる講師を務めることが決まりました。講座名「PLAY! と経済」には、アートやデザインがどうPLAY! の経営と持続性を支えることができるか、という意味を込めています。

11月16日に案内を開始し、30日に説明会を実施。6名の学生(学部2年生以上・学科不問)を募集します。6人には1月から3月までの3ヶ月、毎週1回PLAY! に来てもらいます。現在のPLAY! の課題をレクチャーし、リサーチを促し、提案を受けます。1人ずつか、チームを組むかは、顔ぶれをみて決めます。プランを出す、リサーチをする、進行管理をする、クリエイティブを仕上げるなど、役割分担をしてもいいと思います。ぼくはそこで、問題を解決するプランになっているか、クリエイティブが機能しているか、ダメ出しやいいね、をしていきます。プロフェッショナルに対するのと同様に、成果は厳しく求めるつもりだし、なにがダメなのかを学生が理解することはめちゃくちゃ大事だと思います(書きながらますます思っています)。課外プロジェクトの内容は以下の感じです。

PLAY! ×武蔵野美術大学 課外プロジェクト 
「PLAY! と経済:アート、クリエイティブ、実践」

「PLAY!」は立川駅北口の新街区「GREEN SPRINGS」内に今年オープンした美術館と子どもの遊び場を中心とする複合文化施設です。この度、PLAY! と武蔵野美術大学は共同で課外プロジェクトを実施します。テーマは「PLAY! と経済:アート、クリエイティブ、実践」。学科を横断した学生各自のスキルを活かして、イベント企画や広報ツール、コンテンツ制作などの幅広い活動を行います。この取り組みを通して、PLAY! をめぐる経済を活性化させ持続可能な場所として定着させていくこと、学生がそれぞれのクリエイティブを活かし社会とどのように関わるか実践的に学ぶことを目指します。

どんな学生に応募してほしいか。具体的な像はないけれど、あえて言えば以下の3つのタイプがおもしろいかなと思います。

1)アートやデザインのスキルを活かし自身のアイデアを形にできる人
2)課題整理、スケジュール調整などのマネジメントができる人
3)ガッツ、行動力のある方人

一度、武蔵美のチームの方に「期待される成果が出ないかも・・・」と心配されたことがあります。ぼくは、「何をやってもPLAY! のプラスになると思っているから大丈夫」と答えました。外部に出る表現、コンテンツには厳しい目で臨みますが、出来上がったものは必ず意味をもちます。今回はお試しの実験です。うまくいったら来年から定期的なプログラムにしよう、と話しています。100人くらい参加しても面白いのでは、という声も聞かれました。一緒に進めてくださっている武蔵美の方々には、本当に感謝しています。

立川市に続き、武蔵美との連携が実現しました。よく考えると、これってちょっとすごくないかー。でもお楽しみは、これから。そして、まだまだ続きます。

2020年6月、東京・立川の新街区「GREEN SPRINGS」内にオープンした美術館と子どもの遊び場を中心とする複合文化施設です。「ありそうでない」場所をつくるため、PLAY!が目指すもの、活動が拡張するプロセスや断片を、プロデューサーの草刈大介が、短い文章でたくさん書きます。