再び自己紹介を。アートの専門家ではないと書きました。大学は法学部で外交史を、その後国連で働きたいと思い立って大学院で国際社会学を学びました。旧ユーゴスラビアやルワンダで民族紛争が勃発し、日本でも国際協力のあり方をめぐって議論が始まった頃です。 大学院を卒業して、新聞社でアートに関わる仕事につきました(なぜこの仕事をはじめたかを「ほぼ日」で振り返ったので参考まで)。けれどもそれまで、美術館や展覧会に足繁く通っていたわけではありません。大学4年の春から半年間、授業をサボって北米
アートディレクターの菊地敦己さんは、青森県立美術館のヴィジュアル・アイデンティティ(VI)とサイン計画がよく知られています。美術館専用の和欧書体を設計し、ロゴタイプや館内のサインに活用し明確なアイデンティティを生み出しました。いつ見てもほれぼれする仕事です。 菊地さんとは面識はありましたが、じっくり仕事をしたのは、2017年の「シンプルの正体 ディック・ブルーナ」展のときが初めてでした。2005年から5年おきに「ミッフィー展」を企画してきたのですが、その時のお題は「ミッフィ
昨晩、PLAY! のアートディレクターの菊地敦己さん(銀座のギャラリーG8で、第22回亀倉雄策賞受賞記念展 菊地敦己 2020開催中、9/2まで)に、「note読んだけど短いね」と指摘されましたので、もう少し長く書くことにします(水増しせず)。 東京・立川に、ミュージアムと子どもの屋内遊び場を核とする、新しい複合施設をつくる。大人から子どもまでが「遊び」を取り戻す。こうした価値観を示すために「PLAY!」という名前を決めました。 この概念に、どんな姿や形を与えるかが次の作
「なぜPLAY! という名前にしたんですか?」という質問は、オープンしたあと、ほとんど聞かれなくなりました。MUSEUMの見え方やPARKのプログラムが、言葉のイメージに重って見えているからだと思います。 施設名は大事な決定事項です。ネーミングの考え方は二つあって、「わかりやすい」か「なんだかよくわからない」かのどちらか。例えば「絵本美術館」「キッズパーク」などの名称を掲げれば、新しい場所の内容を想起しやすくお客さんを呼びやすい。けれど来場者を特定してしまうので、閉じた印象
つぼくは1972年生まれの47歳です。24歳で働き始めてからずっと、日本のあちこちの美術館といっしょに、展覧会を開催する仕事をしてきました。最初の18年間は朝日新聞社の文化事業部に所属し、2015年に独立してブルーシープを作って以降、活動の範囲や交友関係を広げてきました。 自分が企画したものではなく、プロジェクトチームの一員として関わったものも含めれば、100以上の展覧会に関わり、その来場者数は1000万人を超えます。ほんと?と思いますが、数えてみたので本当です。来場者が一
はじめまして、立川のPLAY! でプロデューサーを務める、草刈大介です。ブルーシープという、美術館や展覧会を作ったり、本を出版する会社の代表です。 6月10日に、2ヶ月遅れでPLAY! MUSEUMがオープンしてから、約2ヶ月が経ちました。コロナウイルスの影響に、異例ともいえる長い梅雨が加わり、残念ながら期待通りには客足が伸びていません。それでも、多摩や23区(なぜか杉並区が多い)、神奈川や埼玉からも足を運んでくださり、会場内のあちこちに笑顔が花咲いています。「ありそうでな